見回りに行く田んぼを、衛星で絞ります。

Contains modified Copernicus Sentinel data 2018(Sentinel-2 L2A)。積雪:気象庁 福井(地点番号47616)の日別値(その日の最深積雪)

田んぼの見回りを、衛星で減らす

中山間地域の交付金や農地パトロールを担当する市町の方へ。

国の「中山間地域等直接支払制度における衛星画像を用いた現地調査実施マニュアル」(農林水産省)の手順どおりに、衛星のレーダーで区画ごとに4段階に分けて、地図でお渡しします。

期間中に一度でも反射が大きく下がれば、水張りや耕起で地面が平らになったとみて、耕作・管理されていると判定します。

  • 見回り不要(耕作・管理されていると推定)
  • 要確認(耕作・管理されているか要確認)
  • 耕作放棄地と推定
  • 解析対象外(区画の内側5mを除くと5画素=500㎡未満)
見本の範囲の一部を切り出した地図。区画の形だけを黒地に置き、4段階で色分けしている
見本の範囲の一部を切り出し、写真・地名・道路などの下地を外して、区画の形だけにした図です。色の割合は、範囲全体の割合とは同じではありません。

Contains modified Copernicus Sentinel data 2025(Sentinel-1 RTC。Catalyst処理・Microsoft Planetary Computer、CC BY 4.0)。ESA WorldCover 2021(CC BY 4.0)を加工。国土地理院 地理院タイル(シームレス空中写真)を加工して作成。

福井県内の中山間地域での見本

範囲は東西約2.8km・南北約3.3km。2025年5月から9月までの、Sentinel-1(レーダー)48回分の画像を使いました。

見本の範囲での値(推定した区画に対する割合)
区分割合面積
見回り不要47.8%85.2ha
要確認7.6%18.8ha
耕作放棄地と推定1.5%3.4ha
解析対象外43.1%16.8ha
この値は見本の範囲でのものです。現地では確かめていません。
くわしく見る

区画は、筆ポリゴンの代わりに空中写真から推定したもので、実際の筆の数ではありません。解析対象外には、推定のときにできた細切れ(あぜ・のり面・田の端)が混ざっていて、面積で見ると対象外は13.5%です。

期間の取り方でも結果は変わります。5月の画像を外すと、耕作放棄地と推定した区画は10から3に減りました。降交軌道だけで同じ手順をやると、区画ごとの判定が両方で同じだったのは85%でした。

マニュアルと違うところ

  • 衛星データは、マニュアルの Google Earth Engine の Sentinel-1 GRD ではなく、Microsoft Planetary Computer の Sentinel-1 RTC です。閾値の数字は、マニュアルの例とは比べられません。
  • 区画は推定です。実際の作業では、市町の協定農用地の区画データを使います。
  • 雨の直後の画像が混ざっているかは、確かめていません。

OTHER ANALYSES

ほかにもできること(実際にやった解析の例)

森の変化

2020年8月20日の衛星写真
2020年8月20日
2024年8月19日の衛星写真
2024年8月19日

Contains modified Copernicus Sentinel data 2020・2024(Sentinel-2)。写真は明るさのみ調整。

使ったデータ
Sentinel-2 の衛星写真(2020年8月20日・2024年8月19日)。
どう解いたか
大館市と北秋田市の境の山(東西約4.6km×南北約4.2km)の同じ範囲を、2020年と2024年の夏の写真で並べて見比べました。
何が分かったか
2020年の写真で緑におおわれていた山の一部が、2024年の写真では明るい色に変わって見えます。

学校のまわりの夏の温度(福井市)

福井市の小中学校のまわりの夏の朝の地面の温度。市の中心部の学校は全体が赤く、田んぼの中の学校は中ほど、山あいの学校は淡い

Landsat 8/9 Collection 2 Level-2 地表面温度(USGS、Microsoft Planetary Computer 経由)を加工。学校の位置:国土交通省 国土数値情報「学校データ」2023年を加工して作成。

使ったデータ
Landsat 8/9 の地表面温度(2023年から2025年の7月〜8月で、雲がほとんどなかった10回)と、国土交通省 国土数値情報「学校データ」2023年度。
どう解いたか
福井市の公立の小学校51校・中学校24校それぞれについて、学校を中心にした半径500mの地面の温度を、約100mの区画ごとに10回分平均して、高い順に並べました。
何が分かったか
半径500mの平均は、いちばん熱い学校で53.5℃、いちばん涼しい学校で35.8℃で、差は約18℃でした。差の大部分は、市街地か、田んぼ・森かで決まっていました。測っているのは朝10時半ごろの地面や屋根の表面の温度で、気温でも暑さ指数でも、登下校の時刻の温度でもありません。元の細かさは約100mで、通学路そのものは重ねていません。

2018年の大雪

2018年2月20日の福井平野の衛星写真。平野が白い
2018年2月20日 福井の積雪 71cm
2018年3月2日の福井平野の衛星写真。白い所の約半分は雲
2018年3月2日 福井の積雪 29cm(白い所の約半分は雲)
2018年3月17日の福井平野の衛星写真。茶色に戻っている
2018年3月17日 福井の積雪 0cm(3月7日から)

Contains modified Copernicus Sentinel data 2018(Sentinel-2)。積雪:気象庁 福井(地点番号47616)の日別値(その日の最深積雪)。

使ったデータ
Sentinel-2 の衛星写真(2018年2月20日・3月2日・3月17日)と、気象庁 福井(地点番号47616)の日別値。
どう解いたか
福井市・鯖江市のまわり(約22km×23km)の同じ範囲を3日分並べ、その日の最深積雪と見比べました。
何が分かったか
積雪が71cmの2月20日は平野が白く、29cmの3月2日は白い所の約半分が雲で、積雪0cmの3月17日は茶色に戻っていました。積雪の最大は2月7日の147cmですが、この日の画像はありません。

DATA

使ったデータ

FLOW

進め方

  1. 01

    相談

    いまの現地確認のやり方をお聞きします。

  2. 02

    範囲と目的を決める

    対象にする農地と、解析する期間を決めます。

  3. 03

    見本の地図

    範囲の一部で4段階の地図をつくり、見ていただきます。

  4. 04

    本番の解析

    市町から協定農用地の区画データをお預かりして、衛星の画像を解析します。

  5. 05

    報告

    区画ごとの4段階の結果を、地図でお渡しします。

NOTES

研究ノート

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